自律神経失調症とは具体的にどのようなことを言うのでしょうか。人間は意識することなく心臓を動かしたり汗をかいたりしています。そのような活動をコントロールしている神経を自律神経と言います。自律神経は大きく分けると2種類あり、ひとつは緊張したときに手に汗をかいたり、目の前にボールが飛んできたときに目を閉じたりするなどの活動をコントロールする交換神経です。もひとつは人間が寝ているときなど休息しているときに働く副交感神経です。
自律神経失調症は、この活動をコントロールする交換神経と休息をコントロールする副交感神経のバランスがくずれてしまったときに身体に現れる不調の総称です。交感神経と副交感神経のバランスは、人間が意思で保とうとしてできるものではなく、周囲の環境に合せて身体が自然に調節しているものなのです。
自律神経失調症は、内臓の病気や器官の病気ではないので、身体に不調が出て病院で検査をしても異常がないと判断されることがほとんどです。
自律神経失調症は、食欲がなくなったり、身体の一部に痛みが出たり、落ち着かない気分が続いたりするなどの症状が現れます。さまざまな症状がいくつか重なって現れたり消えたりすることが多いのも自律神経失調症の特徴です。
自律神経失調症は、正式な病名ではありません。自律神経失調症は原因が人それぞれで、治療法も各々に合わせて行っていきます。原因が特定しにくいために、身体に不調が現れて病院で検査をして内臓や器官に異常がない場合に、安易に自律神経失調症と診断されやすいのには注意が必要です。遺伝的な体質や本人の性格、不規則な生活習慣、ホルモン分泌の異常、ストレスの感受性などさまざまな要因により、症状の現れ方が千差万別にあり、以下で挙げている症状や治療方法はほんの一部です。自律神経失調症の治療には心と身体の両方を見ながらゆっくりと行うことが大切だと考えられています。
自律神経失調症の治療は、その症状を治すのが目的なのではなく、症状を出しているストレスなどの要因を取り除くのを目的とします。自律神経失調症の要因でもっとも多いのはストレスと言われています。深刻な悩みがあるなどして、精神的に緊張した状態が続くと、交感神経が常に働き続け、バランスが崩れて自律神経失調症の症状が現われることになります。がんばりすぎると逆効果になってしまうこともあるので、自分だけで治そうと躍起にならず、思い当たることがあれば、病院で相談するなどして心の負担を減らしましょう。